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LINE公式アカウントのよくあるトラブル ~管理権限が自社にない~

『LINE公式アカウント』よくあるトラブル ~LINE公式アカウントとMessaging APIは自社で作成しよう~

この記事のもくじ

拡張システム乗り換え時のトラブルが増加

LINE公式アカウントをよりパワフルに活用できる『拡張システム』。導入する企業は増加の一途で、最近では拡張システムの乗り換えニーズも増加しています。この乗り換えの際に発生するトラブルが非常に多いので一筆しようと思います。

トラブルの背景を解説

トラブルは『Messaging API』の作成方法が適切でなかったために発生します。

Messaging APIとは

LINE公式アカウントと拡張システムの連携で必要となるのが『Messaging API』。これはLINE Official Account Managerから、あるいはLINE Developersから作成します。

LINE公式アカウントとMessaging APIは一心同体

このMessaging API、1度作成したらMessaging APIだけを削除することはできません。一緒にLINE公式アカウントを削除する必要があります。LINE公式アカウントをそのままにMessaging APIだけを作り直すことはできません

また1度作成したMessaging APIは他のアカウントに移動することもできません

LINE公式アカウントとMessaging APIは一心同体

LINE公式アカウントとMessaging APIの作成を業者に任せることがトラブルの要因

Messaging APIの作成及び設定は『普通の人』にとって少々難しい作業ですので、業者さんに任せたいところです。業者さんはシステムを採用してもらいたいので喜んで設定を引き受けます。

双方にメリットがあるのでこの形が多く取られているのですが実はここに問題が潜んでいます。

トラブルを具体的な事例で解説

パターン1 Messaging APIが人質に取られる

既にLINE公式アカウントを持っておりMessaging APIの作成を業者に任せた場合はこのパターンが多いです。

A社はB社がおすすめして来た拡張システムを採用することにしました。面倒な設定作業はB社が全部行ってくれるというのも採用に至った理由の1つです。

A社は言われるがまま、B社アカウントがA社公式アカウントへアクセスできるように招待を掛けました。

B社は約束通りすべての設定を行ってくれました。

この場合の裏側を覗いてみましょう。

Messaging APIは作成者のアカウントに帰属する

Messaging APIは『LINE Developers』の中に作成されます。

『LINE Developers』とは外部連携などの設定を行う開発者向けの管理コンソールで、LINE公式アカウント作成時に取得したLINE ビジネスIDで入ることができます。つまりA社アカウントは使用していないだけで『LINE Developers』という管理領域を持っています。

事例に戻ります。A社のLINE公式アカウントのMessaging APIはA社のLINE Developersに作られることが理想です。A社が作業を行えば普通にその場所へ作成されます。しかし事例の場合B社アカウントで作業することによりB社配下のLINE DevelopersにMessaging APIが作成されてしまうのです。

この場合、A社アカウントがLINE Developersのコンソールを開いてもMessaging APIは表示されません。A社がMessaging APIにアクセスするにはB社に頼んでMessaging APIの管理権限にA社アカウントを追加してもらう必要があります。

関係が良好な内は何の問題もない

A社B社の関係が良好な内は何の問題もありませんので、A社はこの形が問題をはらんでいるとは夢にも思わないでしょう。

問題が浮き彫りになるのは『関係が終わる時』

最近C社がとてもよい拡張システムを紹介してくれました。今使用しているシステムは不明なエラーが多く、B社のサポートも悪いので悩んでいたところです。

A社はB社が提供するシステムに見切りをつけ、C社のシステムに乗り換える決断をしました。

この時に問題が浮き彫りになります。

Messaging APIの管理権限がない

C社はシステム連携のためにMessaging APIへアクセスする必要がありますので「Messaging APIへのアクセス権限を付与してください」と要求してくるでしょう。A社はC社のサポートを受けながらLINE DevelopersにアクセスしてMessaging APIを探します。

Messaging APIが無い!!

調査の結果B社のアカウント配下にMessaging APIがあることを知るでしょう。

契約打ち切りの通告を行ったばかりのB社に「すみませんがMessaging APIへのアクセス許可をください」と頭を下げなければなりません。バツの悪いこと極まりありません。関係を終えたB社が肝っ玉を握っている状態が今後も続くのです。

LINE拡張システムのベンダー乗り換えには注意

このケースですぐに行うべき作業

すぐにB社へ付与しているLINE公式アカウントの管理権限を削除しましょう。

これを行わないとB社はLINE公式アカウント及びMessaging APIを削除する権限を持ったままです。

悪意を持って、あるいは無知によるところから取り引きの終わりとともに消してしまう可能性も否定できません(皆様が想像する以上に無知だったり、とんでもないミスをするITベンダーが存在します)。

公式アカウントの管理権限を切り離してもMessaging APIの管理権限は相手に残りますが、それだけでは公式アカウントを削除できませんのでひとまず安心です。

パターン2 すべてが人質に取られる

B社との取り引き開始時にLINE公式アカウントが無く、すべてをB社に作ってもらった場合はこの『パターン2』の可能性があります。

LINE公式アカウント並びにMessaging APIいずれのアクセス権限もA社にはなく、B社配下にあります。A社の物だから引き渡せといっても移動できませんので無理です。何ともなりません。

LINE拡張システムのベンダー乗り換えには注意

パターン3 業者が消える

極稀にこのパターンがあります。

何ともなりません。LINE公式アカウントを作り直すしかありません。

LINE拡張システムのベンダー乗り換えには注意

管理権限トラブルが起きたときは『LINE公式アカウントの引っ越し』

管理権限の分散トラブルが起きてしまった場合、弊社はLINE公式アカウントの作り直しをおすすめします。

  • 重要な部分についてコントロールできなくなる恐れ
  • セキュリティ上のリスク
  • 法的・契約上の問題

業者は契約終了後も企業が収集した個人情報にアクセスできてしまいます。契約終了後にも効力がある形で、個人情報の取り扱いについて業者に成約を掛けなければなりません。またLINE公式アカウントへ友だち登録してくれる個人に対し、個人情報の取り扱いについて上記の形であることを説明したうえで同意を得なければなりません。

『業者との契約』『ご利用規約』『プライバシー』を用意することで使い続けることもできますが、この先いつ何が起こるか分からないというリスクを抱えた状態で事業を続けるのは不健全です。

ここはさっぱり諦めて公式アカウントを作り直しましょう。

公式アカウントを引っ越しすることで友だちは減ります。何百人、何千人と友だちがいるアカウントではためらうことでしょう。

しかし友だちが減ることは損失ではありません。個人のSNSなら損失かもしれませんが事業アカウントの見かけ上の数字などあまり大きな意味を持ちません。引っ越しに応じない非アクティブな友だちというのはターゲットから外れている人たちです。どのみちこの先もマーケティングに応じない可能性が高いでしょう。

非アクティブなターゲットを外しアクティブなターゲット数を把握することで今後のマーケティング活動の精度も上がります。心機一転新たな環境でアクティブな友だちとスタートを切れることはメリットと捉えても良いでしょう。

新しい環境で心機一転

拡張システム乗り換え時のアドバイス

現行の拡張システムを解約する前にチェック

まず御社のLINE公式アカウントやMessaging APIが誰の配下に作成されているか確認しましょう。

もし委託先にある場合公式アカウントの引っ越しを検討します。この時システムを早々に解約してしまわないようにしましょう。

公式アカウントを引っ越すことになる場合、

  1. 新しい公式アカウントを作り、新しいシステムで受け入れ体制をつくる
  2. 旧公式アカウントの友だちに新しい公式アカウントへの登録をお願いする
  3. 移行期間を終えたら旧公式アカウントの閉鎖

このようなプロセスとなります。2の移行を促すアクションを友だち全体に一様で行うのであればLINE Official Account Managerからできますので旧拡張システムを早々に解約しても問題ないでしょう。

友だちがセグメント管理されており、セグメント毎に異なる文面や報酬で移行を促したいのであれば、旧拡張システムで作業を行うことになりますので早々に解約しない方が良いでしょう。

次のITベンダーさんは大丈夫?

良いサービスの特徴

LINE拡張システムに限らず、何かシステムやITサービスを検討するときには必ず脱出経路を確認しておきましょう。検討段階から使用を止め次に移るときのことを考えることが大切です。

良いサービスにはユーザーが次のサービスへ移行するための『機能』が備わっており、分かりやすい『ヘルプ』が整っています。非常に良心的です。

『エクスポートがない』『移行のためのヘルプがない』など、移行し難い環境を作ることで解約を阻止する意地悪タイプのサービスが多々あります。そのようなサービスは最初から採用しないよう気をつけましょう。

非常口チェック

「全部こちらで設定しますよ」に注意!

業者の作業によりMessaging APIが業者の配下に作成されてしまうことは前述のとおりです。

この仕組みは大変分かりにくく、把握できていない業者も多かったので初期の頃であれば致し方ないかもしれません。

しかし2023年現在、この問題によるトラブル事例も増えてきた今未だに『こちらで作業しますよ』と言って自分の管理下にMessaging APIを作るような業者は問題があるかもしれません。

もし無知により問題意識が無いのであればアンテナの低いITベンダーといっていいでしょう。最新の情報に疎いITベンダーなんて不安ですね。

もし作業を代行することで生じる問題を知りながらそれを行うような業者であれば、これはこれで問題です。前述の移行し難い環境を作ることで解約を阻止する意地悪型の商売かもしれません。注意しましょう。

「全部こちらで設定しますよ」という甘い誘い文句が来たら「それにより生じる問題について御社はどのようにお考えですか?」と聞いてみてください。

まとめ

  • LINE公式アカウントの拡張システム乗り換え時にはトラブルが発生しやすい
  • トラブルはMessaging APIの管理権限が委託先に残ることに起因する
  • LINE公式アカウントとMessaging API両方の権限が委託先に残ることもある
  • トラブルが起きたら公式アカウントを作り直すのがオススメ
  • システム乗り換え時には解約前に状況をチェック
  • 次の業者さんに問題がないかチェック
  • LINE公式アカウントとMessaging APIは自社アカウント配下に作る

以上、LINE公式アカウント拡張システム乗り換え時によくあるトラブルでした。

植田屋ITソリューションではLINE公式アカウントを使用したマーケティングやマネジメントをサポートしております。拡張システム乗り換えもサポートしておりますので『USHIRO盾 LINEマーケティング』からお気軽にお声掛けください。

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